はじめに
こんにちは🌸利用者キクチです✨
本日は、「幽霊の日」👻
4代目鶴屋南北の書いた「東海道四谷怪談」の初演日が由来です。
というわけで、今回は……
暑い夏でもヒヤッと涼しくなる🥶(!?)ホラー小説のご紹介です!
利用者キクチが、実際に読んだホラー小説の中から、セレクトさせていただきます👻
(※以下の書籍のリンクは、すべて、アフィリエイトリンクではありません)
「京都松原 テ・鉄輪」(入江 敦彦)
「京都エッセイ」の第一人者、入江敦彦さんの「京都小説」。
「丑の刻参り」の由来となった「鉄輪の女(かなわのおんな)」。
その「鉄輪の女」を由来とする「鉄輪の井戸」の水を使い、町屋カフェを営む関水キリ。
彼女との出会いが、主人公の「センセ」を、切るに切れない「縁」と「怪異」の世界へ誘う——。
この小説の舞台は、日本の古都・京都。
けれど、京都は、穏やかで、上品で、美しいばかりではありません。
(もちろん、そういう場所もいっぱいありますけれど)
一つ、道を違えて、思ったのと違う場所に立ち入れば、そこには何かが潜んでいるやも……。
町屋カフェ「サロン・ド・テ・鉄輪」は、「鉄輪の井戸の水」で淹れた飲み物を出してくれます。
そう、「テ・鉄輪」は、霊験新たかな井戸水で、「切りたい縁」を切ってくれる場所。
そして、その店主である「関水キリ」も、ただの美人店主ではなく……。
京都らしく「しんねり」とした恐怖が、まとわりつくように絡み合い、物語を成しています。
そう、それは、まさに、「切っても切れない縁」のように。
「異形コレクション 《トロピカル》」(井上雅彦・監修)
紳士淑女の皆々様。
今宵は、憧れと恐怖の渦巻く熱帯の世界へとご案内いたしましょう——。
自らをたびたび「サーカスの団長」に例える作家、井上雅彦氏。
氏が監修するアンソロジー「異形コレクション」の第11弾「トロピカル」。
まとわりつくような高温多湿の熱気、そして絡みつくように繁茂する植物。
そして、そんな熱帯の海で、島で、そして、熱帯の空気の持ち込まれた都会で、物語は始まる。
アンソロジー、ということなので、様々な作家さんが寄稿されています。
個人的なおすすめは、「Flora」(篠田真由美)、「デザート公」(井上雅彦)ですね。
「Flora」(篠田真由美)は実在の人物に題材を取った作品です。
文章の言葉選びが美しく、また、「美しいが故の恐怖の存在」が登場します。
話の始まり方から、終わり方まで、一貫して「優美」な苦品です。
対して「デザート公」(井上雅彦)。
北欧の城の中に再現された「トロピカル」、そしてその城の主人「デザート公」。
彼に招かれて城を訪れた「語り手」が、城の中で見たものとは——?
作中では明言されない、「語り手」の正体に、あなたは気づくことができるでしょうか?
「異形コレクション」は、他にもたくさんのアンソロジーが組まれているのでオススメです!
「異形コレクション Fの肖像」(井上雅彦)
そんな「異形コレクション」より、もう1冊。
こちらは、「F」——「フランケンシュタインの怪物」をテーマにしたアンソロジーです。
「F」には、様々な視点があります。
「創造主であるフランケンシュタイン博士」。
「その被造物であるフランケンシュタインの怪物」。
そして、「第2の被造物である、怪物の花嫁」です。
オススメは、「青髭の城」(吉川良太郎)、「そして船は行く」(井上雅彦)。
「青髭の城」(吉川良太郎)も、実在の人物を題材としています。
グリム童話「青髭」のモデルとして名を残す、貴族ジル・ド・レェ。
彼の残した書籍を読み進めるに、「主人公」はジル・ド・レェに魅かれていく。
そんな「主人公」が、その果てでたどり着いたある「結論」とは——。
「そして船は行く」(井上雅彦)に関しては、多くを語ることはやめておきましょう。
これは、読みすすめ、物語を理解していく方が、より楽しめると思います。
おわりに
「テ・鉄輪」は比較的新しい本なんですが、「異形コレクション」は少し古かったかも……。
(確認してきたらコレクターズ価格ですごいことになってました💦)
ですが、実際に読んだ限りではオススメの本なので、ご紹介させていただきました。
ホラーな小説を涼しいお部屋で読んで、この夏を涼しくお過ごしください🥶👻
それでは〜(^^)/~~~